なぜカリウムを制限する必要があるの?

腎機能が低下すると、カリウムが十分に排泄されず、体内に蓄積されます。
血中のカリウム濃度が高くなりすぎると、不整脈を起こしたり、重篤な場合には心停止を起こすこともあります。
血中のカリウム濃度を正常範囲に保ち、これらの危険を避けるために、カリウムの制限が必要なのです。

カリウム制限のポイント

低たんぱく食をしっかり行うことが基本中の基本!

食品中のたんぱく質量とカリウム量は正の相関関係にあります(たんぱく質量が多くなればカリウム量も多くなるということ)。
つまり、たんぱく質制限をするとおのずとカリウム制限にもなるのです。
また、たんぱく質制限をすることによって代謝性アシドーシス(※) の予防や改善になります。
これにより代謝性アシドーシスによる高カリウム血症の予防・治療にもなるのです。

※代謝性アシドーシス
たんぱく質の代謝によって生じた酸の排泄能力が低下することなどが原因で、体が酸性に傾きます。
そうすると、細胞の中にあるカリウムが血液中に出てきて高カリウム血症となります。

例外の食品だけは摂る量に気をつける

たんぱく質が少なくてもカリウムを多く含む食品がいくつかあります。(下図)
これらの食品は食べる量に特に注意しましょう。

なぜリンを制限する必要があるの?

リンはカルシウムと結合して、骨や歯を丈夫にします。
腎機能が低下すると、余分なリンが排泄されず、血中のリン濃度が高くなります。
すると、体はバランスを保とうと骨からカルシウムを取り出すようになるため、 骨が脆く弱くなったり、血管等に沈着して動脈硬化を起こすこともあります。
血中のリン濃度を正常範囲に保ち、これらの危険をさけるために、リンの制限が必要なのです。

リン制限のポイント

しっかりと「低たんぱく食」を行うこと!それだけです。

たんぱく質の多い食品には必ずリンも多く含まれています。
そのため、リンだけを制限することはほとんど不可能です。
したがって、たんぱく質制限さえしっかり行っていれば、自然とリンの制限にもつながっているということです。
つまり、低たんぱく食=低リン食 なのです。

引用資料:(株)ヘルシーネットワーク いきいき食品カタログ
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